男性と女性では、薄毛や抜け毛となる原因が違うことがあります。
また、原因もそうですが、体質の違いもあるのでもちろんケアの仕方も違います。
そこで、今回は女性ならではの薄毛、抜け毛の原因とその特徴や、ケアをする上での大事なポイントなどについて紹介したいと思います。
女性の薄毛や脱毛にはどんな種類があるの?
では、女性に多い抜け毛、薄毛の種類にはどんなものがあるのでしょうか?
男性にはない種類のものもあるようですね。
FAGA
男性型脱毛症は、AGAと呼ばれるのに対して、女性男性型脱毛症はFAGAと呼ばれます。
もともと、女性は男性ホルモンの分泌が男性に比べて少ないですが、更年期あたりから女性ホルモンの分泌が少なくなります。
それに反比例して男性ホルモンの働きが強くなることで、AGAと同じ仕組みで薄毛が進行していきます。
ただ、AGAと違うのは薄毛の進行の仕方です。
AGAは頭頂部や生え際の髪が薄くなりますが、FAGAは一本一本の髪が細くなって頭部全体の髪の毛が薄くなります。
牽引(けんいん)性脱毛症
牽引性脱毛症とは、髪の毛を長時間引っ張り続けることが原因となる、髪の長い女性に起こりやすい脱毛症です。
エクステや強めのポニーテールを頻繁にしていると生え際から、また、いつも同じ分け目でいたりすると、その部分から徐々に薄くなっていってしまいます。
休止期脱毛症
精神的なストレスや貧血、無理なダイエットによる栄養不良、ホルモンバランスの乱れといった実に様々な要因で、ヘアサイクルの休止期に入る髪の毛の割合が多くなってしまうことで起こる脱毛症です。
その他にも免疫疾患によっておこる円形脱毛症や、皮脂の過剰分泌による脂漏性(しろうせい)脱毛症、頭皮の環境悪化によってフケが多く出るとなりやすい粃糠性(ひこうせい)脱毛症などがあります。
女性の頭皮は一年中乾燥している
女性の皮膚は男性に比べ薄いので乾燥しがちです。
頭皮も同じで女性の方が乾燥しやすいといえますが、それは冬だけではありません。
もともと空気の乾燥する冬だけでなく、エアコンや直射日光の影響で夏でも頭皮は乾燥してしまいます。
では頭皮の乾燥は何がそんなにマズイのでしょうか?
バリア機能の役割をしてくれている皮脂が少なくなりすぎると、頭皮への刺激に敏感になり、かゆみやフケの原因となってしまいます。
さらにフケが頭皮環境を悪化させてしまい薄毛や抜け毛の原因となります。
また、髪がパサつき、静電気をおこしてさらに髪は痛みます。
健康な髪を維持するためには、頭皮は乾燥させてはいけないということですね!
頭皮が乾燥してしまう色々な原因とは?
頭皮に適量の皮脂があることで、それが膜となり水分の蒸発を防ぎ、頭皮の潤いを維持してくれることになるのです。
しかし、この大事な役目を果たしてくれる皮脂が少なくなってしまうことが、頭皮が乾燥しているという状態ですよね。
頭皮の乾燥はどのような原因で起こってしまうのでしょうか?
季節的なことだけでなく、もしかしたら普段あなたが何気なくやっていることで頭皮を乾燥させてしまっているかもしれません。
以下のことで当てはまることはないですか?
洗浄力の強すぎるシャンプーで何度も洗う
まず、どのようなシャンプーを使っているでしょうか?
安さ重視やとにかく洗浄力の強そうなもの、というシャンプーの選び方はしないでください。
安いものがすべて悪いということではありませんが、ドラッグストアなどで売られている多くのものが、洗浄力の強すぎるシャンプーです。
汚れをしっかりと落としてくれるからいいんじゃないの?と思ってしまいますが、洗浄力が強いと、汚れだけでなく頭皮の皮脂まで落としてしまうので、シャンプー選びは大切です
次にシャンプーをする時のお湯の温度は、ぬるめのお湯にしましょう。
40度以上の高い温度だと皮脂が溶けて洗い流されてしまうからです。
さらに夜にシャンプーをしたのに、朝出掛ける前にもう一度するなど一日に何度も髪を洗っていないでしょうか?
皮脂の分泌が追い付かず乾燥の原因となってしまいます。
長時間ドライヤーをあてている
髪を洗った後、しっかりと乾かさないでいると、雑菌が繁殖するなどして頭皮環境の悪化を招いてしまいますが、ドライヤーの当てすぎもいけません。
長時間温風をあて続けていると、頭皮の水分が蒸発して乾燥してしまいます。
血流が悪い
血流が悪いと、肌のターンオーバーが乱れて肌の乾燥を招きます。
頭皮に悪い環境の元にいる
空気の乾燥する冬や、夏でも、クーラーの効いた室内は乾燥しています。
また、真夏に帽子も被らずに外にいると、紫外線によりバリア機能が低下して潤いが奪われてしまいます。
加齢による肌の乾燥
年を重ねると若いころのようにみずみずしい肌でなくなるのは仕方のないことです。
手や顔もそうですが、頭皮も、もちろん若い人に比べて乾燥してきてしまいます。
生活が乱れている
睡眠中は成長ホルモンが分泌されるので、日中に受けた肌のダメージを回復してくれます。
そのため、睡眠不足になるということは、頭皮が回復する時間が奪われることになってしまいます。
また、食事によって肌の潤い成分を摂取することもあるので、栄養の偏りも頭皮の乾燥につながります。
女性の頭皮の乾燥を防ぐ方法はある?
では、頭皮が乾燥する原因は色々と分かりましたが、その乾燥を防ぐ方法はあるのでしょうか?
シャンプー選びと、正しいシャンプーの仕方
シャンプー選び
頭皮の乾燥を防ぐシャンプーを選びたいのであれば、洗浄力の優しいシャンプーを選ぶということがとても重要です。
不要な皮脂と汚れはきちんと落としながらも必要な皮脂を残してくれるということが大切ですよね。
そこでおすすめなのが、アミノ酸系のシャンプーです。
アミノ酸系のシャンプーは、弱酸性で頭皮への刺激も少ないので敏感な肌の方でも使えます。
頭皮を乾燥させないシャンプーの仕方
まず、シャンプーをするのは、一番頭皮が汚れている夜がいいでしょう。
そして一日に一回。
寝ている間に汗をかいて朝シャワーをしたいという場合などは、シャンプーを使わずお湯だけで洗い流すのがいいと思います。
また、少しぬるいと感じるくらいの38度~39度のお湯だと、頭皮に優しい温度ですね。
冬など、浴槽がその温度では寒いという時は、髪を流す時だけでもいいのでその温度にしてください。
頭皮が乾燥しないドライヤーのかけ方
ドライヤーは、頭皮から20センチ以上は離して使い、同じ個所にずーっと温風を当てないということがポイントになります。
なるべく早い時間できちんと髪を乾かすのが大切ですね。
そのためには、ドライヤーを持っている反対の手で髪をとかすようにすると、ドライヤーの風が通りやすくなり早く乾きます。
血流促進には頭皮マッサージを
古い細胞が新しく生まれ変わることをターンオーバーといいます。
肌のターンオーバーは、血液によって栄養が送られることできちんと行われるんです。
しかし、血流が悪いと栄養不足となり、ターンオーバーが乱れてしまうので乾燥肌となってしまうのです。
そうならないためにも、頭皮の血流をよくする必要がありますね。
そこでおすすめなのが、頭皮マッサージです。
お風呂で体が温まっている時にするのが効率的ですよ。
マッサージする時のポイントとしては、爪を立てないように指の腹を使って、皮膚ごと動かすくらいマッサージすることです。
湿度の管理と紫外線対策をする
エアコンを使っている室内は乾燥するので、加湿器などを使って湿度が低くなりすぎないようにコントロールしてください。
湿度が40%をきると、肌が乾燥を感じます。
また、頭皮は太陽に一番近くなるので、紫外線をもろに受けてしまいます。
紫外線の強い時は、帽子をかぶったり日傘をさすなどして紫外線をさえぎる工夫をしてください。
ただ、ずっと帽子をかぶったままでいると頭皮が蒸れてしまうので、たまに脱ぐなどして風を通しましょう。
最近では髪に使える日焼け止めなどもあるので、そういったものを活用するのもいいですね。
保湿剤を使ってみる
年齢による肌の乾燥はどうしようもないですよね。
さらに、乾燥した冬の時期などは室内では湿度コントロールが出来ますが、外ではどうしようもないですね。
そんな時は、頭皮に使える保湿剤を使うのがおすすめです。
ぬるま湯で髪を流したとしても、やはりお風呂上りは水分が蒸発しやすくなってしまうので、お風呂上がりの使用がいいと思います。
顔や体の保湿剤って結構知られていて、使っている人も多いと思うんですが、頭皮の保湿剤って、存在すら知らない人もいるんじゃないかと思います。
でも、調べてみたら結構あるんですよ!
色々と種類がありますが、きちんと頭皮用に作られたもので、保湿目的のものを選ぶようにしましょうね。
ライフスタイルの見直しで頭皮ケアを
先ほども言ったように睡眠は頭皮の健康を維持するためにはとても重要です。
そのためには、睡眠時間の確保と質の良い睡眠ということも意識しないといけません。
寝る直前までパソコンやテレビ、スマホなどを見ていると質の高い睡眠はとれないので、寝る前1時間はそういうものを見ないようにして、リラックスして過ごしましょう。
さらに、肌が健康になる栄養を摂ることも大事です。
ビタミンやミネラル、たんぱく質など髪にいいものをバランスよく摂ることが理想ですね。
オイルによる頭皮ケア
これまでに紹介した頭皮の乾燥を防ぐ方法以外にも、頭皮をケアするために出来ることはまだあります。
その中でも、ここではオイルによるケアを紹介します。
オイルを頭皮に付けるって、ちょっとべたつきそうな感じがしますが、オイルをどのように頭皮のケアに使うのでしょうか?
オイルで頭皮のクレンジング
お化粧を落とすためのクレンジングオイルってありますよね?
頭皮用のクレンジングオイルもあるのを知っていますか?
シャンプーを使う前にオイルでクレンジングをしておくと、頭皮に詰まった不要な皮質を浮かせることが出来ます。
ただ、顔のクレンジングと違って、頭皮のクレンジングは週に1~2回が目安です。
頭皮クレンジングの仕方
①ブラッシングする
髪が絡まったままシャンプーをしてしまうと、きれいに汚れが落ちないだけでなく、余計な力が加わってしまい抜け毛ににもつながります。
②頭皮にオイルをなじませる
適量のオイルを手のひらに取り、爪を立てないように頭皮全体に指の腹を使ってなじませます。
③マッサージをする
オイルをつけた後、軽く押すように、毛穴に詰まった皮脂や汚れを揉みだすような感じマッサージをします。
④5分ほど置く
マッサージの後5分ほど置いておくと、よりオイルが皮脂とよくなじみます。
⑤ぬるめのお湯でしっかりすすぐ
しばらく置いてオイルがなじんだら、今度はべたつきがなくなるまでしっかりとすすぎましょう。
この時も、頭皮に優しい38度~39度のぬるめのお湯を使ってくださいね。
⑥普段通りシャンプーをする
いつも通りに丁寧にシャンプーとすすぎを行ってください。
オイルでの頭皮の保湿
次は、オイルを保湿に使う方法です。
これはシャンプーの後に使うもので、クレンジング用のオイルとはまた違うので、購入の際に間違えないようにしましょう。
保湿用オイルの使い方
①シャンプーのあとタオルドライする
保湿用のオイルはシャンプーをした後の清潔な頭皮に使います。
②頭皮にオイルをなじませる
適量のオイルを少量手に取って、頭皮にうすく塗ってなじませます。
保湿用のオイルは、クレンジングの時とは違って最後に洗い流さないので、つけすぎるとべたついてしまいます。
多くても100円玉大の量にしておきましょう。
③マッサージをする
頭皮全体にオイルをなじませること以外に血行促進効果もあるので、しっかりとマッサージしましょう。
④ドライヤーで乾かす
マッサージをした後は、髪の毛と頭皮をしっかりと乾かしましょう。
育毛剤で頭皮の保湿
育毛剤の中には、化粧品に入っているような保湿成分を配合したものも多くあります。
育毛剤に配合されている、保湿力の高い成分といえば、ヒアルロン酸やコラーゲン、M-034、アロエエキスなどです。
育毛のことを考えたら、頭皮を乾燥させずに保湿するというのは基本ともいえるからですね。
そのため、育毛剤は薄毛の人だけでなく頭皮の乾燥が気になる人にもうってつけの商品と言えるんです!
保湿力の高い男性用育毛剤には、M-034やコラーゲンなどが配合されたBUBKAや、ヒアルロン酸やコラーゲン、ヒオウギエキスなどが配合されたイクオスなどがあります。
女性用育毛剤では、ミューノアージュ、ベルタ育毛剤、ルプルプなどが保湿効果が高いようです。
まとめ
男性よりも皮膚が薄くデリケートで、乾燥しやすい女性の頭皮。
普段何気なくやってしまっていることで、頭皮の乾燥を助長させている可能性があります。
頭皮を乾燥させないために出来ることは、シャンプーの仕方やドライヤーのかけ方のような身近なところでもたくさんあるようです。
健康な髪を維持するために、まずは頭皮の乾燥を予防するところから始めてみてはいかがでしょうか。