薄毛や抜け毛に悩んだら、まず”育毛剤を試してみようかな”と考える人が多いのではないでしょうか。
育毛剤って風邪薬のように飲む薬なわけでもないし、頭に塗布するだけなんだからまさか副作用なんてないでしょ?
と思っている人もいるようですが、実は使ってみて、
「なんだか頭皮がかぶれて赤くなっちゃった」という人や
「毛が生えるどころか、反対に髪の毛抜けたんだけど…」なんていう人もいるようですよ。
え?髪の毛が抜ける??!これから使おうとしている人にはちょっと、ショッキングな情報ですが、今回はそんな育毛剤の副作用について調べ、正しく理解しましょう。
また、育毛剤に名前は似ているけど、副作用が強いと言われている発毛剤についても紹介していこうと思います!
副作用??育毛剤で髪の毛が抜けるって本当なの?
育毛剤使ってるのに、逆に抜け毛が増えるなんて本末転倒な話じゃないか!
そんなことあるわけないでしょ。と思うのが普通かもしれません。
そもそも、薄毛や抜け毛に悩んでいるからどうにかしようと使い始めるのが育毛剤なはず。
でも、実は本当にあるようなんです!
この”抜け毛問題”には育毛剤の働きが大きく関わっているようです。
育毛剤なのに抜け毛が増える2つの理由
どうして育毛剤を使って抜け毛が増えてしまうのかというのには、どうやら、、、
- ・頭皮と育毛剤が合っていない
- ・ヘアサイクルの改善による初期脱毛
という、2つの原因が考えられるようです。
では、その2点について詳しくみていきましょう!
育毛剤が合っていない
最近では色々な種類がある育毛剤ですが、入っている成分も様々です。
自分の肌に合わない成分の入った育毛剤を選んでしまうと、アレルギー症状が出て頭皮が痛くなったり、痒くなったりするなど、頭皮の状態が悪くなってしまうことがあります。
頭皮の状態が悪くなれば、もちろん育毛や発毛にも悪い影響が出てきてしまいます。
その結果、薄毛や抜け毛が進行してしまうということにつながるんですね。
抜け毛が増えてしまっただけにとどまらず、頭皮に痛みや痒みを伴うなどの異常を感じたら、早めに育毛剤の使用を中断して、病院を受診してください。
天然素材の育毛剤もたくさんあります。
特に肌の弱い方などは、肌に優しいものを選びたいものですね。
ヘアサイクルが関係する初期脱毛
ヘアサイクルとは…髪の毛が生えて成長し、やがて抜けるという周期のことをそう呼びます。
このヘアサイクルが乱れることが、薄毛や抜け毛の原因となります。
育毛剤には、乱れたヘアサイクルを整える効果が期待できるものがあります。
しかし、そのヘアサイクルを改善していく過程の中で、弱い髪の毛が一度に抜けるということが起こります。
これは、初期脱毛と呼ばれる現象で、髪の毛が生まれ変わるために抜け毛が増えるので、脱毛ではあるものの『良い脱毛』とされています。
初期脱毛?それともただの抜け毛?どうやって見分けるの?
さきほど、初期脱毛と呼ばれる良い脱毛というものがあると紹介しましたよね。
でも、いざ育毛剤を使い始めた時に、毛が抜けたら「これって初期脱毛?それともただの脱毛なの?」と、迷ってしまいそうですよね。
ただの脱毛だとしたら育毛剤が自分の肌に合ってないということ。
きちんと見分けないといけませんよね。
そこで、次に初期脱毛と通常の脱毛の違いと見分け方を紹介していこうと思います。
初期脱毛の特徴とは?!
1、発生から収まるまでの期間
初期脱毛の場合、抜け毛が増えるのは髪が成長してからです。
育毛剤を使い始めてから数日や1週間で抜けたりはせず、脱毛が起こるまでに少し時間がかかります。
育毛剤を使用してから平均で1ヶ月ほどで初期脱毛は発生し、その後、さらに1ヶ月程で育毛剤の使用前と同じくらいの量に戻ると言われています。*抜け毛の量には個人差があります*
つまり、育毛剤を使い始めてから2ヶ月ほど経った時期に、脱毛が落ち着いてくるかどうかが、初期脱毛かどうかを判断する目安になるといえます。
2.毛根の形
初期脱毛の特徴は、毛根の形にも現れます。
初期脱毛によるものでない脱毛は、毛周期にかかわらず脱毛する「異常脱毛」であるといえます。
それに対して、初期脱毛は、休止期にあって抜ける状態になっていた毛が抜ける「生理的脱毛」なので、毛は健康的な状態でぬけます。
健康的な状態の毛根は、根本がふっくらと丸くなっています。
これは、毛根の根本にある「毛母細胞」にきちんと栄養がいきわたっているからです。
ブラッシングやシャンプーしたときに自然に抜けた毛も同じような形をしているので、一度、白い紙の上などに置いて形を見てみるといいでしょう。
毛根が丸くふくらんでいて、先に向かって細くなっている形の抜け毛であれば、初期脱毛による抜けた毛だと判断するといいですね。
異常脱毛が関係する抜け毛の特徴とは?!
初期脱毛ではなく、「異常脱毛」による抜け毛の場合、頭皮がダメージを受けることにより、荒れたり、かゆみを伴います。
先ほどの説明にもあるように、抜け毛が初期脱毛によるものであれば、育毛剤の使用後2カ月ほど経ったころには、抜け毛の数は減っていくはずです。
これは、新しい毛が成長するために休止期の毛が押し出され抜け毛が増える「好転反応」による脱毛だからですね。
ただ、そうではない抜け毛の場合は、自分の肌に合っていない育毛剤を使っているために、頭皮環境が悪くなっています。
その結果毛根が弱り、育毛剤を使い続けて、2カ月が過ぎ、3ヶ月経っても脱け毛は減らないことがあります。
また、異常脱毛の場合は頭皮がかぶれたりアレルギー症状を起こしたりして炎症になることでかゆくなるので、かゆみが数日間続くのが特徴です。
初期脱毛でもかゆみが出ることがありますが、これは血流がよくなるために起こるものなので、一時的なもので、長くは続きません。
さらに、異常脱毛は抜けた毛の状態でも判別できます。
初期脱毛による抜け毛は、毛の根元が丸くふくらんでいるのに対して、異常脱毛による抜け毛は、毛根部分にふくらみがなく棒状であったり、細くとがったりしています。
抜け毛の多くが、毛根が細く棒状のものであれば、それは初期脱毛ではなく異常脱毛なんだと判断した方がよさそうです。
育毛剤による初期脱毛とヘアサイクル
育毛剤って抜け毛、薄毛の改善のためのものなはず。
なのに、増えるどころか減っていく・・・そんな・・・。
育毛剤も安くはない買い物ですよね、思い切って買ったのに、抜け毛が増えるなんて・・・。
こんなことなら続けられない・・・と、育毛剤の使用を止めてしまう人も多いようです。
でも、ちょっと待ってください!
その症状は「初期脱毛」と呼ばれるもので、これには髪の毛のヘアサイクルが関係してくると言われています。
ヘアサイクルとは?
髪の毛のヘアサイクルとは、髪の毛が生えてから抜けていくまでの一連の流れのことです。
新しい毛は、生えてから3つの期間を経てから、抜け落ちていきます。
この3つの期間はそれぞれ、成長期・退行期・休止期という名前が付けられており、この3つの期間から構成されるものを髪の毛のヘアサイクルといいます。
以下では、成長期、退行期、休止期の説明をします。
成長期
成長期とは、新しい髪の毛が誕生して、どんどん太く・長く成長をする期間です。
この期間は健康な人でだいたい2~5年程度だと言われています。
退行期や休止期に比べると、圧倒的にその期間が長いので、この成長期の段階にある髪の毛は髪の毛全体の80~90%以上を占めます。
この期間においては、髪の毛を作る毛母細胞という細胞が活発に細胞分裂を繰り返しており、髪の毛は1日に約0.35mm、1ヶ月で約1cm程伸びます。
退行期
退行期とは、毛球が縮小することで髪の毛の成長が鈍っていく期間です。
期間は約2~3週間ほどで、退行期の段階は短いので、退行期にある髪の毛は、全体の髪の毛の約1%程度しかありません。
退行期は成長期の次の段階で、退行期に入るきっかけは髪の毛の根元にある毛根の先端にある毛球が収縮し始める事で起きます。
毛球は頭皮を巡る血管から栄養を受け取る役割を果たしてくれているので、その毛球が収縮することで、 髪の毛の成長が緩やかになっていくのですね。
休止期
休止期とは、髪の毛の成長が完全に止まった段階です。
この休止期の期間は約2~4か月程度続くと言われていて、全体の髪の毛の約10~15%がこの段階にあります。
退行期の段階で縮小が進んだ毛球が完全に退化してしまうと、髪の毛を作る毛母細胞の細胞分裂も止まり、髪の毛の成長は完全にストップします。
しかし、休止期に入った髪の毛の下では、すでに新しく成長期の髪の毛が伸び始めているのです。
この休止期の髪の毛は生え変わりを待っている状態というわけですね。
以上が正しいヘアサイクルの流れになります。
ところが、薄毛が進行している方は、成長期が短くなり、休止期が長くなってしまっているのです。
そのため、細く弱い髪の毛しか作られない状態になっています。
そこで育毛剤を使うと、このヘアサイクルを整える効果があるので、休止期が短くなり生え変わりの時期が早まることになります。
そのように新しく作られた強い髪の毛に押しだされる形で、古くて弱い髪の毛が抜けてしまうのが「初期脱毛」というわけです。
育毛剤による「初期脱毛」。その期間と脱毛量は?
個人差はありますが、初期脱毛は育毛剤を使い始めてから、だいたい1か月~2ヶ月程で起こります。
そして、その後使用を止めたりせずにきちんと使い続けていれば、初期脱毛が始まってから約1ヶ月後には収まるとされています。
もしも、育毛剤を使い始めてからだいたい3か月ほど経った後もずっと脱毛が続いているという場合は、育毛剤の成分が頭皮に合っていない可能性があるので、1度育毛剤の使用を中止するようにしましょう。
脱毛量ですが、この初期脱毛が起きている状態だと一日に300本近くの髪の毛が抜けると言われています。
健康な頭皮の状態にある人でも、毎日髪の毛は抜けていますが、その量は多くても1日100本程度だと言われています。
約3倍の量なので、朝起きた時の枕や、シャンプーをした時の抜け毛を見ると、いつもより多い抜け毛に対して不安感を覚える人もいるかもしれません。
初期脱毛、心配になるけど大丈夫?
「初期脱毛」だから・・・なんて言われても、育毛剤に期待するのは、髪の毛を生やすこと!髪の毛が抜けてしまうなんてやっぱりおかしい!と思う人も多いかもしれません。
しかし、この初期脱毛は育毛剤の効果がちゃんと出てきているという証拠なんですよ。
先ほど説明したように、乱れてしまっていた髪の毛のヘアサイクルを育毛剤が正しく戻してくれているんです。
今まで生えていた細くて弱い髪の毛を、強く太い髪の毛に入れ替えてくれているということなので、初期脱毛は決して悪いことではなく、むしろ好転反応なんです。
ただし、初期脱毛が起きた時に、びっくり、ガッカリして育毛剤の使用を中断したりしてしまうと、ただ髪の毛が抜けただけで終わってしまします。
初期脱毛が起こった後も、育毛剤は継続して使用してください。
育毛剤を使う時には、短くとも3ヵ月は継続するようにしましょう。
初期脱毛の起きない育毛剤もあるの?発毛剤って?
なんと、初期脱毛の起きない育毛剤があるんだそうです!え?抜けない方がいいんじゃ・・
しかし、その違いは、「ヘアサイクルを整える成分がしっかりと含まれているかどうか」ということだそうです。
つまり初期脱毛がきちんと起きる育毛剤は、ヘアサイクルを正してくれる成分がしっかりと入っているということです。
育毛剤は本当に多種多様で、それぞれ頭皮の保湿に特化していたり、頭皮の血行促進に特化している、といった個性を持っています。
ヘアサイクルを整えること以外のケアが少ない育毛剤もあるので、しっかりと頭皮の保湿や栄養供給もできる育毛剤を選ぶことも大切ということですね。
発毛剤の方が初期脱毛が起きやすいって本当?
育毛剤よりも注意しなくてはいけないのが、発毛剤と言われるものです。
これは、薄毛の専門病院「AGAクリニック」などでも使われることがあります。
AGA治療薬には、ミノキシジル、プロペシアなど様々な種類がありますが、それらは効果が強い分初期脱毛が起きる可能性も非常に高いと言われています。
AGA治療薬は先ほど説明したような一点特化の効果を持つ成分を配合していて、ミノキシジルは血行促進、プロペシアは脱毛因子の抑制に働きかける効果が高いです。
しかし、それ以外の効果は期待できません。
そして効果が強いということは、副作用が起きる可能性も高いということなんです。
ミノキシジル、プロペシアは両方とも、もともとはどちらも他の病気の治療薬として使われていました。
なので、体調に異常のない人が服用すると身体に重篤な副作用を与える可能性があるとされています。
女性は特にプロペシアには気を付けなければいけません。
男性ホルモン系に働きかける作用があるため、妊婦さんが触れてしまうと胎児に影響を与えることがあります。
また、触れるだけでも影響があるので女性がプロペシアに触れる事は禁忌となっています。
身体を壊してしまっては治療どころではないですよね。
育毛をするときに、副作用が気になるという方は発毛剤を服用することはおすすめできません。
「リアップ」は日本で唯一の発毛剤と言われていますが、体に直接摂取するわけではなく、育毛剤のような外用薬です。
しかしミノキシジルを配合しているため、副作用の気になる方はやはり控えた方がいいでしょう。
気になる初期脱毛。その時とるべき行動とは・・
これまでいろいろと見てきて、初期脱毛は『良い脱毛』だということがわかりましたが、やはりそうは言っても抜け毛は気になります。
何かしなくては・・と、思った時に何をするのが本当に正しいことなのでしょうか。
⑴育毛剤のケアを継続
育毛剤を使い始めて抜け毛が増えてくると、初期脱毛だとわかっていてもやはり不安になってしまうものです。
やっぱり育毛剤を使い始めたのは間違いだったのか・・ここでやめた方がこれ以上の抜毛を減らせるのでは・・
なんて思ってしまうのも無理はありません。
でもその時に抜けているのは、乱れたヘアサイクルによって弱った毛髪であり、継続すれば次には強い毛髪が出てきます。
その一歩手前まで来ているのに、ここで育毛剤の使用を中断してしまうのは非常にもったいないです。
育毛剤は、使い始めてから「少なくとも3ヶ月、普通6ヶ月は使わなければ」その効果は判断できない、と言います(注1)。
もし、使い始めて1~2ヶ月経った頃に初期脱毛が起こって、一時的に抜け毛の量が増えたとしても、長い目で見れば健康な毛が増えると期待できます。
それでもやっぱり不安という方は、使用中の育毛剤のコールセンターに相談してみるという手もあります。
良心的なメーカーは、カスタマーサービスも充実しているので、悩みを聞いて、相談にのってくれるはずですよ。
注1:『新ヘア・サイエンス』、日本毛髪科学協会、2015年
⑵シャンプーを見直す
頭皮の脂っぽさを感じたことはありませんか?
思い当たる方はシャンプーの仕方を見直してみるというのもいいと思います。
シャンプーは直接頭皮に付けることはせず、一度手に取って泡立ててから、優しく洗うことを心がけてください。
使用量を守り、つけすぎないようにすることも大切です。
頭皮を清潔に保つことはとても大事なことですが、洗いすぎて乾燥してしまうのもよくありません。
この機会に、シャンプーそのものを見直してみるのもいいかもしれませんね。
⑶生活習慣の見直し
生活習慣というのは、直接は髪に関係がないようにも思われますが、ストレスや睡眠不足は頭皮や毛髪に大きな影響を与え、ヘアサイクルの乱れを引き起こします。
日々の食事や運動習慣、飲酒、喫煙習慣などを見直し、発毛や育毛に適した状態を心がけるのはとても大切なことです。
生活習慣を改善することは、育毛剤の働きをより発揮させやすくして、脱毛や薄毛の改善の近道になることと思います。
見直しやすいところから始めてみませんか?
まとめ
育毛剤を使い始めた時の気になる抜け毛。
それには自分の頭皮と育毛剤の相性が悪い場合と、ヘアサイクルの改善による初期脱毛が原因という二つのパターンがあるということが分かりましたね。
抜け毛が増えたからと言ってすぐに使用を中断するのではなく、脱毛の期間や毛根の形から、初期脱毛であるのかどうかの見極めをきちんとすること。
そして、それが初期脱毛によるものであった場合は、それが発毛、育毛の第一歩であることを理解して、頑張って継続することが大切だということが分かりましたね。