「最近毛が薄くなったかも。」鏡を見てこんな事を思ったことがある人もいらっしゃるのではないでしょうか?
しかし、「薄毛・ハゲ」と一言で言ってしまえば簡単ですが、その種類はモノによって全く違います。
原因も種類も、そして対応法も多種多様なんです。
そうなると、「この薄毛の対策は私に合っているの?効果があるの?」という事が気になるはず。
そこで今回は、「AGA(男性型脱毛症)」「牽引性脱毛症」「円形脱毛症」「脂漏性脱毛症」「男性のびまん性脱毛症」についての原因と対策をご紹介!
ぜひ自分に合った「薄毛対策」を見つけてください!
男性型脱毛症(AGA)
■男性型脱毛症(AGA)の原因
男性 型脱毛症(AGA)という言葉も一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
こちらは「ハゲ」と聞いた時に想像されやすい髪型のものです。
例えば、つむじハゲやM字ハゲなど、頭頂部から薄くなったり、前頭部から薄くなる状態も、このAGAが原因です。
これは日本人の男性で薄毛に悩む人の最も多くが発症すると言われる症状で、後頭部や側頭部の髪の毛はそのまま残るというのが特徴。
では、どうしてこの様な薄毛になってしまうのでしょうか。
「薄毛には男性ホルモンが関係している」という事を聞いたことがある人もいるでしょう。
AGAは男性ホルモンに含まれるテストステロンという物質と頭皮にある酵素の5αリダクターゼという物質が一つになって生まれる「DHT(ジヒドロテストステロン)」が原因なのです。
このDHTが「髪の毛を生やさないように!」という命令を前頭部から頭頂部にかけての毛根に指示するため、その部分の毛がどんどんと細く、短くなってしまうのです。
このAGA、テレビCMにもあるように放っておいても絶対に改善はしないんです。
■男性型脱毛症(AGA)になりやすい人
では、実際、AGAにはどんな人がなりやすいのでしょう。
一言でいうと、先ほど紹介した5αリダクターゼが多く、この物質が活発な人ほど発症しやすいのです。
この物質は遺伝にも関係しているので、分泌量などを調べるには遺伝子検査や血液検査が必要だということもドイツの研究チームによって明らかにされました。
■男性型脱毛症(AGA)の治療方法
AGAの治療で最も有効なことは、ずばり医療機関に行き、薬での治療をする事です!
内服薬や外用薬での治療を早く行う事が大切ですが、そのためにはまず医師による問診、診療を受けて色々な原因を特定してもらう必要があります。
治療期間も短いスパンではなく、最低でも半年から1年以上と長くかかります。
頭皮環境や体質改善をメインに、AGAによる乱れたもう周期をリセットすることが目的の治療法だからです。
■男性のびまん性脱毛症の原因
「びまん性脱毛症は女性がなるものではないの?」と思っている人もいると思いますが、これは女性だけのものではありません。
先ほど紹介したAGAとは違い、全体的にボリュームが減っていく、少しずつ髪の毛が抜けていって地肌が見えていくというのが特徴のびまん性脱毛症。
ただ、この症状は1つの決まった原因があるわけではなく、複数の原因によって引き起こされるとされています。
例えば栄養不足や血行不良、ストレスなど原因は様々で、何か一つ改善すれば解決する訳ではありません。
解決するには手広い対応が重要です!
■男性のびまん性脱毛症になりやすい人
ずばり、スマートフォンやパソコンの長時間使用で目の疲れが出ている人や、乱れた食生活を送っている人は注意が必要です!
これは、目の疲れが頭皮の凝りやストレスに繋がる場合が多かったり、食生活の乱れで髪の毛を作る栄養が不足してしまう可能性が高いからです。
■男性のびまん性脱毛症の治療方法・生活習慣&食事の見直し
びまん性脱毛症の症状の改善には、生活習慣や食事内容の見直しが重要です。
適度な運動や頭皮マッサージで頭皮の血行を良くする事もオススメですし、喫煙、飲酒の見直しや十分な睡眠も育毛には必要不可欠です。
そして、生活習慣の乱れは脱毛症だけでなく、体脂肪率の上昇にもつながります。
過剰なダイエットは絶対にダメですが、頭皮の改善をして脱毛症の改善に繋げつつ、体脂肪率を下げられたら一石二鳥!
ぜひ、生活習慣を見直してみて下さい。
髪の毛に良い食べ物の摂取
みなさんは髪の毛の成分はご存知でしょうか。
髪の毛の99%を作っているのがケラチンタンパク質という物質です。
しかし、タンパク質は髪の毛だけではなく体の色々な臓器も必要としている重要な栄養素なので、髪の毛に優先的に使われることはまずありません。
主要な臓器に吸収され、最後に残ったものが髪の毛に使われるため、摂取量が少ないと髪や頭皮に届かず、その結果髪が抜けていってしまうのです。
これは立派なびまん性脱毛症の原因なので、栄養バランスのとれた食事で改善を図りましょう。
タンパク質を多く含む食品には、大豆・卵・肉類に多いです。
また、魚介類やチーズなどに多い亜鉛、緑葉食野菜のビタミンも髪には重要なので併せて摂取することを心がけて下さい!
専門クリニックに相談
AGAと同じく、専門クリニックでの相談も脱毛症が進行してきた場合は有効です。
びまん性脱毛症の原因の究明や、そもそも自分はびまん性脱毛症かどうかも判断してもらえます。
治療や投薬は一日でも早くスタートすることが改善への近道です!
そして、クリニックなら投薬だけではなく、カウンセリングや検査を通して、その人に見合った治療や生活改善アドバイスをしてもらえます。
専門家にアドバイスしてもらう方が絶対に安心ですよね!
ただし、健康保険が適用されず、治療費や薬代が高額になるケースもあるので病院にかかる場合は注意が必要です。
男性の円形脱毛症
円形脱毛症というと、「10円ハゲ」と言われるように一部分だけ髪の毛が抜けてしまうものが有名でしょうか。
しかし!
これはまだまだ初期段階!
この脱毛症は進行してしまうと徐々に毛の抜けている範囲が広くなって、本当にひどい場合は全身の毛が抜けてしまうようなケースもあるのです。
■男性の円形脱毛症になりやすい人
この脱毛症は未だはっきりとした原因が解明されていないのです…。
若者への発症が多かったり、ストレス社会の中で発症する人が多いので、ストレスが原因と言われる事もありますが、免疫システムの以上である「自己免疫疾患」が原因とも言われています。
■円形脱毛症の治療方法
先程も挙げたように、この脱毛症は絶対に放置してはいけません!
早い段階で皮膚科に行きましょう。
今回は、一般的に皮膚科で行われている治療法をご紹介します!
ステロイドの投与
直接注射でステロイドを注入するこの治療法ですが、これは単発型や多発型(脱毛を繰り返してしまい拡大してしまったもの)に有効です!
ただ、子供の脱毛症の治療としてはほとんど使用されません…。
過剰な免疫反応や炎症の抑制に非常に効果的なステロイド薬ですが、注射の際に痛みが出たり、発熱をしたり、注射跡が残ってしまうなど、副作用リスクが高いからです。
内服薬の服用
内服薬の処方も円形脱毛症の治療には効果的です!
アレルギー反応を抑える効果のある「セファランチン」「グリチルリチン」などの薬は単発型や軽度な多発型の際に処方されることが多いです。
また、成人の場合の主流な処方薬としてステロイド内服薬、抗ヒスタミン剤(メチオニンなど)も挙げられます。
外用薬の塗布
単発型や軽度な多発型の症状に対して行う治療に、「塩化カルプロニウム」「ミノキシジル」といった外用薬によるものもあります!
これは内服薬と併用して行う事が一般的です。
冷却治療
「ドライアイス」や「窒素」を脱毛班に直接当てて冷却する治療もあります。
これは異常に反応を続ける免疫機能を抑制して、毛髪の再生を図ることが目的。
冷却する瞬間に多少痛みがある場合もありますが、他の治療に比べリスクも少なく、副作用がほとんどない治療方法です!
紫外線治療
脱毛症以外にも、皮膚病(アトピー性皮膚炎や尋常性乾癬など)にも行われているのが紫外線治療です!
これは、紫外線を当てて免疫作用を抑制し、毛根の再生を促すことを目指している治療で、「PUVA治療法」「ナローバンドUVB療法」「エキシマレーザー療法」などがあります。
治療には一般的に2週間に1~6回、数カ月かかると言われていますが、実際の回数や頻度は症状により異なります。
脂漏性脱毛症
■脂漏性(しろうせい)脱毛症の原因
皮脂の過剰分泌によって、皮脂性皮膚炎が悪化してしまったものが脂漏性脱毛症の原因です。
毛穴にも炎症が広がり抜け毛になってしまいます。
また、フケが多い、脱毛も増えている、けど炎症はない…。
そんな時は、皮脂性皮膚炎の一歩手前で、皮脂が毛穴に詰まってしまっている状態かも。
注意が必要です!
■脂漏性(しろうせい)脱毛症かかりやすい人
皮脂の量は食事の状況とイコールと言っても構いません。
甘いもの、油物は皮脂が発生しやすいので好きな人は要注意です!
■脂漏性(しろうせい)脱毛症の治療方法
今まで紹介した脱毛症と違って、菌の繁殖が原因で頭皮に炎症が起きてしまう皮膚疾患が脂漏性脱毛症。
ですので、皮膚科の専門医に診てもらい原因を正確に把握することが重要不可欠!
治療法としては、外用抗真菌薬を使ってマラセチア菌を殺菌するのが一般的です。
それ以外には、抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤などの内服薬を使って炎症を抑えたり、ビタミン剤で皮脂分泌を抑制するケースもあります。
牽引性脱毛症
■牽引性脱毛症の原因
これは比較的女性が発症しやすい脱毛症で、髪の毛をきつく結んだり、頻繁にヘアアレンジをすることで引き起こされます。
物理的に強めに引っ張り続けることで、抜け毛や切れ毛になったり、次第に髪の境目に脱毛部分が出来てしまうのが特徴です。
「でも、髪の毛を引っ張らなければ治るのでは?」そう思って頂いた人もいるでしょう。
まさにその通りです!
しかし、症状が進むとなかなか自然治癒が出来なかったり、酷いケースは治療が必要になったりもします。
■牽引性脱毛症かかりやすい人
前述のとおり、髪の毛が引っ張られる様な髪型が好きな人は注意が必要です!
ただ、オールバックの様な髪型でも、生え際の毛根に負担をかけますし、髪を強く縛っても分け目の部分に相当な負担が掛かるので細かい所も要注意です。
■牽引性脱毛症の治療方法
この脱毛症は前述のとおり、自然回復が望めます!
頭皮や毛根を痛めつけないよう、無理に引っ張る様な髪型を避けましょう。
ただ、症状が悪化していると自然回復が難しいのも事実。
症状のある部分から細い髪しか生えてこない、そもそも髪が生えなくなったというのは症状が悪化しているサインです。
頭皮マッサージをする
頭皮マッサージは、毛根に栄養をしっかりと届けることに繋がるので、早期に改善するには有効です!
この症状は強く引っ張る力に抵抗するため、頭皮の筋肉が凝ってしまっている事が非常に多いです。
筋肉の凝りは毛細血管を収縮させ、最終的には毛根に栄養が届きにくい状態に…。
そこで登場するのが頭皮マッサージ!
マッサージは頭皮の毛細血管を拡張し、血流改善、栄養の届きやすい状態を作ることが出来ます!
しかし、頭皮のうっ血や産毛の脱毛になってしまうので、強い力でのマッサージは絶対にしてはいけませんよ。
育毛に必要な栄養素を摂取する
この症状には育毛を促進することで早期解決ができるケースもあります!
びまん性脱毛症の紹介時にも言いましたが、育毛にはタンパク質、亜鉛、鉄分、銅などのミネラル、ビタミンB群、バントテン酸、ビタミンEなどのビタミン類の摂取も育毛、髪の毛の成長には有効です。
バランスの良い食生活にして、身体の内側から健康的な育毛をしましょう!
また、食品としては生姜や唐辛子、ニンニク、ニラ、ネギなどは体の血行促進、保温作用を高める効果があるので、こちらも併せて摂取すると良いでしょう。
食事での摂取が一番ですが、難しい場合はサプリメントでも大丈夫です。
育毛剤は効果的?
ここまで色々と脱毛症の原因や治療法を紹介してきましたが、「もっと手軽に自分で出来る事はないの?そもそも市販の育毛剤って効果がないの?」と思う人もいらっしゃるでしょう。
髪型に気を付ければ改善が望める牽引性脱毛症はさておき、他の脱毛症には育毛剤は効果があるのでしょうか。
ずばり申し上げます!
効果があるのは、男性型脱毛症(AGA)、男性のびまん性脱毛症、脂漏性脱毛症です!
これらの脱毛症の一般的治療法ををまとめてみました。
■男性型脱毛症
DHT(ジヒドロテストステロン)がヘアサイクルを乱す前に、もともとの物質である5αリダクターゼと男性ホルモンの結合を防がなければなりません。
しかし、男性ホルモンの減少は体調悪化や精神状態への影響も考えられるので出来るだけ避けたいです。
そこで、もう一つの物質を抑える事に専念しましょう。
■男性のびまん性脱毛症
育毛は、必要不可欠な栄養素を頭皮まで行渡らせることが最重要ですが、そもそも身体の頂点にあり栄養が届きにくいのが頭皮です。
いくら栄養を摂取しても血行不良では意味がありません。
ですので、血行を良くしながら栄養を摂取することが求められます。
■脂漏性脱毛症
なによりも、食生活の改善と頭皮環境を整えることが有効です。
頭皮の荒れが進まないように、外気などでの頭皮への刺激を抑制したり、炎症を治めたりする行動が必要です。
以上の改善方法は、ほとんどが育毛剤で対応できるケースです!
沢山の種類の育毛剤の中には、1つで全ての原因をカバーできる優れものもあります!
しっかりと商品を確認して、効果の高いものを選ぶようにしましょう。
まとめ
以上が日本の男性に多い脱毛症の主な原因と治療方法になります。
しかし、これ以外にも脱毛の原因は多種多様。
まずはしっかりと自分がどの症状に当てはまるのかを見極め、適切な対処をして行きましょう。
判断が難しい場合は、専門家の相談を受けることも必要です。
早期に対策をして楽しい生活を送れるようにしていきましょう!